村上龍平 インタビュー写真
デフと聴者。違いを越えて価値を届けるには

Ryuhei Murakami

2020年入社

デフエンジニア

自身の技術力を武器に、デフエンジニア として活躍を続ける村上さん。
現在は、聴者を含むチームのリーダーとして、開発だけでなく教育やマネジメントなど、幅広い領域を担っています。
「デフエンジニアが活躍する社会を実現したい」
そんな想いを胸に進んできた、キャリアと挑戦の軌跡を伺いました。

※ 「デフエンジニア」とは、聴覚に障害のあるエンジニアのことを指します。

共感が導いたキャリアの転機

C4Cと出会う前は別の企業でエンジニアをしていました。
しかし、技術力だけではない「価値のある仕事」を求めている中、C4Cが揮げるデフエンジニアリング事業部の存在を知り、深く共感したことが転職のきっかけでした。

「聞こえる聞こえないに関係なく、エンジニアという職種でデフが活躍できる社会を目指す。」
その信念に触れ、自分もこのチームの一員として、新しい価値を生み出していきたいと強く思ったのです。

入社後は、複数のプロジェクトに参画しながらスキルを磨いてきました。
Webアプリケーションや業務系システムなど、フロントからバックエンドまで幅広く対応し、徐々にチームの中心を担うポジションも任せていただくようになりました。

今では、聴者のメンバーを含むチームのリーダーとしてプロジェクトを進行しています。
音声によるコミュニケーションが難しいという前提がある中で、チャットやタスク管理ツールを活用し、筆談なども織り交ぜながら業務を円滑に進めています。

教育の場も、自分の成長機会に

技術的な基盤が固まってきたタイミングからは、後輩の教育・指導にも関わるようになりました。
難しい内容をどう伝えるか、どうすれば理解が深まるか。
自分が通ってきた道だからこそ、言葉選びや説明の順序を工夫するようになりました。
それが結果として、自分自身の理解を深めることにもつながっています。

「教育すること」は、自分の考えを言語化することでもあります。
楽しみながら関われている今は、かつての自分を思い出しながら、仲間と共に成長していけるやりがいを感じています。

しかし、リーダーとしての課題や難しさも同時に感じています。
印象的だったのは、初めてプロジェクトリーダーを任された現場です。
チームには他社のメンバーも含めて5人のメンバーがいて、工程管理やスケジュール調整など、今までにない業務が一気に増えました。
当初は「自分が頑張れば何とかなる」という感覚でいましたが、それではチームは動きません。
メンバーの課題を汲み取り、支援しながら全体を動かす視点の重要性に気づかされました。
この時に試行錯誤しながらもチームをまとめ上げた経験が、今の自信につながっています。

こうした経験を積む中で、「自分はチームの中でどんな存在でありたいか」を改めて考えるようになりました。
その中で気づいたのは、仕様を受け取ったときに「こうすればできる」というイメージを自然と頭の中で組み立てられる力が、自分の強みだということです。
開発の全体像を想像し、構成をスピーディに決めていける。
それは、これまでの現場で磨かれてきた感覚なのだと思います。

この力をさらに高めるため、バックエンド・フロントエンドに限らず、インフラなど幅広い領域に視野を広げて学習しています。

どんなフェーズでも、誰かが困っていたらサポートできる。
そんなエンジニアでありたいと思っています。

デフと聴者
"違い"を越えて価値を届けるには

聴者とデフの間には、どうしても「聞こえる・聞こえない」という差があります。
これはプライベートの関係では気にならなくても、仕事の場では情報伝達のスピードや齟齬が致命的な違いになりかねません。

しかしC4Cでは、この「聞こえない」という違いに向き合いながら、いかに価値を提供できるかを本気で考え、行動しています。

よく「コミュニケーション能力が高い」というと、話し方が上手とか、明るいとか、会話のスムーズさを指すことが多いですが、本当に大切なのは「相手の意図をくみ取り、自分の考えを正しく伝える力」です。

その意味では、聴者もデフも条件は変わりません。
違いがあるからこそ、お互いに配慮し合い、言葉にして確認し合う。
その努力の積み重ねこそが信頼に繋がります。

デフ側にも「自分はこう理解しました」「この仕様で間違っていませんか?」と一歩踏み込む確認の姿勢が求められます。
聴者と同じ評価を得るには、ただ「できません」で終わらせず、自ら工夫する力が必要です。

C4Cではこのような考え方を土台に、現場に出る前にしっかりと教育・準備を行い、「デフだから無理」ではなく「デフでもここまでできる」と思ってもらえる人材を輩出しています。

この取り組みを続けることで、いずれ社外の意識も変わっていくと信じています。

デフエンジニアリングサービス事業部の未来

今後の目標の一つは、社内にもっと多くのデフエンジニアを迎え入れることです。

実際、デフエンジニアとして働ける環境はまだまだ少なく、「できるのに機会がない」という人も多く存在しているはずです。

だからこそ、私たちが活躍し続けることが、道を切り開くことにつながると信じています。
聴者とデフが当たり前に混ざり合い、互いの力を引き出せる環境をもっと作っていきたい。
そのためにも、自分の役割は「成長し続けること」と「背中を見せること」だと思っています。

単なる「障がい者雇用」ではなく、「プロフェッショナルとして活躍するエンジニア」の集団になる。
「障がいがあっても仕事ができる」ではなく、「技術力で対等に価値を発揮できる」ことを証明していく。

それがこの事業部の存在意義です。

私たち一人ひとりが、専門性を高めてチームを支え、次世代のロールモデルとなることが、未来のデフエンジニアの可能性を広げていくと信じています。

まだまだ挑戦の途中ですが、私たちが働く姿を見て、「自分にもできるかもしれない」と思ってくれる人が一人でも増えたら、それが何よりの成果です。

これからも、楽しく、誇りを持って働ける環境を、自分たちの手で作っていきたいと思っています。

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